府中基地
開庁60周年

 航空自衛隊府中基地は、2017年で開設60周年となり、6月3日にオープンフェスタが開催されました。 昭和15年に陸軍燃料廠としてスタートし、戦後は米軍に接収されました。その後、昭和32年に、航空自衛隊府中基地が米軍府中基地に併設され、それから今年で60年になりました。昭和50年、米軍が横田へ移転した後、日本に返還されました。
 管理人の自宅から近い、航空自衛隊府中基地では、開庁60周年記念行事が開催されて、基地が開放されました。このイベントについては、不覚にも直前まで知らなくて、2日前の京王電鉄のチラシに掲載されていて、初めて知ったものです。
 空自の基地と言っても府中基地には、滑走路がなくヘリポートがあるだけなので、ゲートガードとして展示されている2機の戦闘機以外には、航空機を見ることができません。しかし、今回の記念行事では、なんと展示飛行が行われるとのこと。これは、ぜひ、見に行かなくてはなりません。いったい、どんな機種が展示飛行を行ってくれるのか、わくわくしながら基地へ向かいました。オープンが9時からですので、その直前に正門に到着するように自宅を出ました。府中基地の普段は、訪れる人も少ないので、今回の基地開放でもそれほど人出は多くないだろうと高をくくっていました。ところが、正門に着いて見ると、入場待ちの行列ができています。その列は、基地外周に沿って3~400mほどもありました。これには驚きました。すぐに入場できると考えていたのに、入るまでに20分ほども歩かされました。
基地の正門です。入場するために人々が並んでます。
2本の通信用タワーが、この基地のイメージです。

 入場すると、パンフレットを受け取り、オープニングセレモニーが開催されている、ヘリポートに隣接するグランドに向かいました。場内放送によると、展示飛行は、セレモニーの終盤に実施され、C-2の飛行展示があるようです。新型輸送機C-2が見られるとは思ってもいなかったので、思わずガッツポーズです。グランドでは、すでに、セレモニーがスタートしていて、来賓挨拶などがあって、その後に飛行展示が行われるとのこと。アナウンスによると、立川基地からOH-6D、入間基地のT-4とU-4、その後にC-2です。挨拶が終わると、数分後に、OH-6Dが、そしてT-4、その後U-4が北側から、基地上空を編隊を組むこともなく、それぞれ単機で低空で航過していきました。上空での旋回もなく、あっけなく一航過のみです。次に期待していたC-2も同様でした。最近、部隊配備されたうすい青色の迷彩色の量産機ではなく、赤と白塗装の試作機でした。配布されたパンフレットには、展示飛行としてOH-6D,T-4,U-4の3機だけしか記載されていなかったのですが、C-2は、このイベントだけのために岐阜基地から来たのではなく、たまたまこちらに来ていたので、航過飛行を実施してくれたのではないかと思われます。
     
OH-6D T-4 U-4

C-2 赤と白の試作1号機
直進の航過飛行なので、真下から見上げるようなアングルとなってしまいました。

 飛行展示が終わると、防衛大の学生によるドリルが、始まりました。一糸乱れぬ見事な演技と最後の空砲の一斉射撃での予想以上の大音響に驚かされましたが、ギャラリーの拍手に包まれながら、退場してゆきました。
 防大の学生によるドリルで、オープニング・セレモニーが終了した後は、航空中央音楽隊の演奏を聴きに行きました。会場となった”府中クラブ”のホールは、すでに満席になっており管理人は、立ち見となってしまいました。下の写真でも、それほど広いホールではないということがおわかりいただけると思います。内容は、個別の楽器の紹介をベースにした構成と演奏は、楽しく聴くことができました。  
防衛大の学生によるドリル   
  
航空中央音楽隊の演奏

 
会場には、消防や警察の車両も展示されていましたが、この消防車は、付近で災害が発生したらしく、この場所からサイレンを鳴らして、出動して行ってしまいました。
  
府中には、航空気象群本部が配置されています。これは、移動気象の観測機器の展示です。写真右側のテント内では、これらの機器で観測された気象データがデモンストレーションされてました。また、このテントの後ろには、黒っぽいドームが見えていますが、移動気象レーダーが展示されてました。

 

   地対空ミサイル PAC-3 
  82式指揮通信車    

 下の写真は、いつも基地のフェンス外から見ている、F-1とF-104です。今日は、基地内に入場できましたので、機体に触れることもできました。F-104は、空自が初めて運用した超音速機ですが、その主翼の前縁は、カミソリのようにエッジが鋭くて、整備員は、この機体が着陸してきたらすぐに事故防止のためにカバーを取り付けていたとのことです。本当にカミソリなのか、疑問に感じていましたので、実際にカバーをそっと外して確認してみました。カミソリというのは、大げさですが、確かにするどい端部でした。これでは、整備員が怪我をすることもあるだろうな、と納得しました。
常設で展示されている2機の戦闘機。基地所属の軽装甲機動車も一緒に置かれていました。  
  
F-104J
 この機体は、沖縄の207飛行隊に所属していた機体です。

 この基地は、小さな基地で外からフェンス越しに内部が見えますが、普段はほとんど隊員の活動を目にすることがありません。しかし、これだけ多くの人が集まり、基地の業務の展示などによりその活動の一端を知ることができました。数年前までは、航空総隊司令部が所在していて、日本中の戦闘機部隊の司令部でもあり、スクランブル発進時の指令もここから出ていたことを考えると、重要な基地なのだと言うことがわかります。絶対に無理だとは、思いますが、おそらく地下深くにあるであろう、大スクリーンのある指揮所を見てみたいと思います。今は、横田基地に移転しましたが、府中の指揮所は、まだバックアップとして稼働しているのではないかと思われます。
 次の機会には、CH-47Jでの体験飛行させてもらえないかなあ・・・・・
'2017-6-25 記



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最終更新日:2017年6月25日




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